【4th IRアカデミー】第16回の講演ビデオを公開します。

2026年4月、製造業の未来を占う世界最大級の産業技術見本市「ハノーバーメッセ2026」がドイツで開催されました。今回は、現地の熱気を肌で感じてきた参加メンバーが登壇し、展示会場で感じた変化や注目技術、欧州企業の動向、日本企業への示唆などを率直に語ります。公式レポートやニュースでは見えにくい、「現地で何が話題だったのか」「何に期待が集まり、何が課題として見えたのか」といったリアルな視点を共有し、成功事例だけでなく、期待とのギャップや現場で交わされた本音も交えながら、次世代の製造業を考えるヒントをお届けします。

(本講座はWG1/産業IoTロードマップ調査研究委員会の活動の一環として実施しました。)

 

開催概要

1. 日時:2026年6月23日(火)

2. プログラム

 講演:「ハノーバーメッセ2026を読み解く」

    福本 勲 氏(合同会社アルファコンパス 代表CEO)

    濱口 猛智 氏(マイクロソフト コーポレーション/製造 モビリティ インダストリー/ディレクター, インダストリーアドバイザー)

 パネルディスカッション

 パネリスト:福本 勲 氏、濱口 猛智 氏

    村上 弘記 氏 (RRI WG1共同主査 / 株式会社 IHI 技術開発本部 技監)

    小田 信二 氏 (RRI 産業データ連携 アクショングループ / 横河電機株式会社 渉外・標準化戦略センター プリンシパルストラテジスト)

 モデレータ:水上 潔 氏

 

 講演ビデオ

 

当日回答できなかった質問への回答を追記します

質問 回答
生成AIの活用に消極的なご意見が多いように感じます。生成AIはツールでもありますが、人間の意志判断の仕組みに迫る哲学的な要素も持っていると思います。国産AIが無いのも一因のように思いますが、もしかしたら日本人にはまだ生成AIに取り組むのは技術以外の基盤が浅すぎるのではないかという気もしますが、いかがでしょうか。 ご質問は、国内での議論で、「生成AIの活用に消極的なご意見が多い」とのご指摘と理解します。その上で「日本人にはまだ生成AIに取り組むのは技術以外の基盤が浅すぎるのか」との問いと理解します。生成AIへの警戒感は、ハルシネーション・セキュリティ(情報漏洩)・依存性などいろいろあります。日本に限った問題ではないと考えます。あえて日本と考えると、ハイコンテクスト文化なので、思考の背景となる世界観の認知を共有していることが強いのですが、世界観がわからないAIに違和感がある可能性はあります。一方で、中小企業の事例をお話したように積極的に活用を開始している面もあります。潜在意識や暗黙知などで信頼と依存が形成されている日本の中で、AIとどう付き合うのか今後も議論が必要だと思います。(回答者:モデレータ)

(事務局補足:「日本の企業経営者がリスクを取っていく姿勢を取り戻すためには、何を変えたらよいか」という質問に対する、「日本は社会が失敗を許さない風潮がある」というコメントの流れの中で)

ロボットの流通モデルの問題があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。特に中堅中小製造業には、ロボットの地域販売会社、いわゆるエージェントが販売を担当しているため、100%完全ではないと導入しないという判断をユーザが行なっているケースが多いのではないでしょうか。逆に欧米は、利用企業が常に自らトライアンドエラーをしてノウハウを内部化しているのではないでしょうか。
いわゆる中小のロボットSIerに負荷をかけているのが、正しいのかどうか疑問があります。

AI+ロボットの導入に対する課題認識として、中小ではベンダー依存になって導入が進まないと理解します。しかしAI時代に価値を生むのは、完成した知識ではなく、現場で知識を生成・更新する能力だとするとご指摘の通りだと思います。尚、その一方で積極的取組んでいる中小も存在しています。(回答者:モデレータ)
地政学リスクのご指摘がありましたが、セキュリティについてどのように触れられていたか伺えますと幸いです。 展示会や講演で語られていたセキュリティは、従来の「情報セキュリティ」よりも経済安全保障・産業安全保障の文脈で扱われていました。デジタル主権(Digital Sovereignty)として、AIやクラウドへの過度な依存、海外プラットフォームへの依存、データの所在・管理権、欧州域内でのデータ活用他、サイバーセキュリティ、経済安全保障、AIガバナンスなどがあります。
尚、AIセキュリティでは、データやシステムを守ることだけではなく、人間・組織・社会の認知が、意図しない方向へ誘導・固定・劣化しないように継続的に監視し、必要に応じて修正できる状態を維持することも重要な課題です。(回答者:モデレータ)
ビジネスにおいて、AIの利用、その裏返しとして、データの活用は、事実上、どんどん進んでいるし、今後も進んでいくと思います。それで十分であれば、データスペースはなぜ必要になるのでしょうか? AIを社会全体で安全かつ持続的に活用するためにデータスペースが必要になります。欧州で起きたデータスペースの考え方はデータソブリンが背景にあります。その他セキュリティーや信頼性などの面、データ活用に関する条件遵守など含め、ルールとして整備されるべき事項が存在しているので、データスペースを活用する方が安心を得られます。(回答者:モデレータ)

 

関連情報

4th IRアカデミー 開催履歴

 

以上