尚、参加ご登録者には、今後、RRI主催のイベントの案内を差し上げる予定です。案内が不要な方は、お申し込みページの備考欄に「案内不要」とご記入下さい。
時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。平素は当会の活動にご支援、ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
この度、経済産業省との共催にて、『グローバルトップが語る 「製造ビジネスとパラダイムシフト」 』と題し、「ロボット革命・産業IoT国際シンポジウム 2020」を開催する運びとなりましたので、お知らせ致します。
コロナ危機は、デジタル化を始め、ものづくりの在り方、グローバル化など多くの課題を私たちに問いかけました。IoT化が進めば、ものづくりは、本質的価値をデータや情報を介して効率的に進める時代がいずれきます。その構造はMaaSに代表されるように従来とは大きく違います。一言で言えばパラダイムシフトなのですが、この潮流は情報通信産業から電機、さらには機械分野に及びます。どう捉え対処すべきかなのか、日・米・独の研究分野のリーダーによる講演・ディスカッションを行います。また、課題解決の上で有効なシステム・アプローチに関し、産業IoTに関連する海外における実践の紹介や日独連携協力についてもご紹介いたします。
是非、ご参加いただきたくお願い申し上げます。
講演資料
「ロボット革命・産業IoT国際シンポジウム2020の資料掲載のお知らせ」をご参照ください。
オンライン配信用URL(YouTube)
日本語
[Session 1]https://youtu.be/wfVT8UCqtk0
[Session 2]https://youtu.be/H2qDlqwt3Xk
[Session 3]https://youtu.be/zct42RT46WI
[本会議] https://youtu.be/Oz6GFvQL5yw
英語
[Session 1]https://youtu.be/3kqhNVhKd-I
[Session 2]https://youtu.be/Vdq4lvTZoE0
[Session 3]https://youtu.be/rF6bXLvcSaE
プログラム(聴講無料)
■10月12日(月)
[Session 1]グローバルリーダーズダイアログ 製造ビジネスパラダイムシフト (経済産業省 共催)
(1) 19:00 – 19:05 オープニング
中富 道隆 氏(RRI 運営幹事)
(2) 19:05 – 19:25 COVID-19: 戦略的俊敏性の必要性
Henning Kagermann 氏(独 acatech 理事会議長)
コロナ危機は広範囲にわたるパラダイムシフトを強いるのでしょうか、デジタル変革を加速し、持続可能な経済と回復力のある社会を確立する取り組みは十分なのでしょうか?ドイツでは、2008年の危機への対応として、予期せぬ深刻な経済ショックを吸収する能力としてインダストリー4.0の検討が始まりました。昨年発表された2030年のビジョンは、自律性、相互運用性、持続可能性によってグローバルに推進されるデジタルエコシステムの形成に焦点を当てたものですが、ただし、次のステップとして、レジリエンス、社会的距離、および生物学的変革の促進に関しての視点も必要になっています。
(3) 19:25 – 19:45 米国の公共部門製造政策に対する「チーム オブ ライバルズ」アプローチからの教訓
Mark Johonson 氏(米 Clemson大学 教授、元Advanced Manufacturing Office Director)
米国には正式な産業政策がないと一般に考えられていますが、米国の産業政策は「ライバルのチーム」戦略と表現するのがよいでしょう。 米国政府のさまざまな要素が製造業の支援に貢献していますが、その公的支援と政策は、防衛、教育、科学、宇宙探査、またはエネルギーという別の公共部門の使命を促進することです。 その他の国の産業政策はより中央集権化されています(例:ドイツインダストリー4.0など)。 この講演では、米国における製造業の革新に対する「ライバルのチーム」アプローチについて議論し、RRIが議論している11のパラダイムシフトと比較します。
(4) 19:45 – 20:05 社会・産業構造を俯瞰的にデザインする 〜デジタル時代の社会・産業アーキテクチャデザイン〜
白坂 成功 氏(慶應義塾大学大学院 教授)
デジタル化とは、単に今のやり方をデジタルに変更するだけではなく、新価値を実現するために仕組みを変革することである。このためには、全体を俯瞰し、多様なステークホルダと共に既存の概念に捉われることなくデザインすることが重要となる。本講演では、デジタル技術が急速に進み、社会環境が激しく変化する中で、日本において進められている社会・産業構造を俯瞰的にデザインするためのアプローチを述べる。更に、この活動を推進するために必要なポイントや人材について事例を交えて紹介する。
(5) 20:05 – 21:00 パネルディスカッション
【モデレータ】 中富 道隆 氏
【パネリスト】 Henning Kagermann 氏、Mark Johonson 氏、白坂 成功 氏
■10月13日(火)
[Session 2]アフターコロナの世界におけるものづくり 日独有識者の提言 (経済産業省・ドイツ経済エネルギー省 共催)
(1) 17:00 – 17:05 ものづくりとコロナ 各国状況と国際協業の意義
野中 洋一 氏(日立製作所)
ウィズコロナ、アフターコロナの世界に向けたものづくりの課題と方針について、日独有識者による議論が始まっています。5月には共同声明に合意し、ロボット革命・産業IoTイニシアチブ協議会 (RRI)、ドイツPlattform Industrie4.0、ドイツ工学アカデミー (acatech) の共同事業として検討を進めています。このセッションでは、中間報告として、コロナが及ぼしているインパクトや、解決に向けた社会課題は何か、などを議論していきます。
(2) 17:05 – 17:25 ポストCOVID-19におけるインダストリー4.0の役割
Reiner Anderl 氏(インダストリー4.0 研究評議会 科学委員長 / ダルムシュタット工科大学教授)
インダストリー4.0はこの数年の間に進歩し、より機敏で効率的な生産に向けたさらなる機能が提供されています。COVID-19の課題に対しては、要求の厳しい新しい側面が発生しています。 この新しい側面では、レジリエンスが目指されています。本講演では、デジタルツイン、遠隔で拡張された製造などIndustrie 4.0の新しい機能の概要を紹介します。またIndustrie 4.0の新しい機能は、ポストCOVID-19における回復力に係る戦略にも寄与しています。これらの戦略について概説、議論します。
(3) 17:25 – 17:45 COVID-19後の環境での多様な人的相互作用に基づいた「弾力性のある製造」の設計
木村 文彦 氏(RRI 国際標準化アクショングループ主査 / 東京大学名誉教授)
COVID-19危機は製造のさまざまな側面において予期せぬ破壊的な変化を引き起こしています。これに対処するためには包括的なデジタル化が、「現状のまま」から「TO-BE」活動への革新を達成する基軸となります。
製造のレジリエンスは、サイバー世界と物理世界の分離と再統合、変化する活動への人的資源の再割り当てなど、活動の動的な再構成を可能にするモデルベースのアプローチに基づいて実現できます。それを為すための多くの有望な技術はすでにあるのですが、社会と人間のこれまでのマインドセットが障壁となって完全には実装されていません。人間の多様性に十分に対応できる未来を積極的に「設計」することが非常に重要です。
(4) 17:45 – 18:05 イノベーションによるサバイバル ~ COVID-19を脅威ではなく機会として考える
Thomas Gries 氏(RWTH アーヘン大学)
COVID-19は健康と経済的の観点から人々を大きな不安に陥れています。結果として、車、長距離旅行、またファッションやテキスタイルなど、非必須品の需要が大きなインパクトを受けています。例えば直接および間接的に繊維生産に影響を与えています。 同時に、人々は気候変動がさらに脅威になると考えています。 生産と貿易には、これらの恐怖に対する信頼できる肯定的な回答が必要です。 「同じように続ける」 はオプションではありません。 新しい顧客志向のソリューションが必要です。バイオ経済とデジタル化の組み合わせに答えの一つを見出すことができます。
(5) 18:05 – 18:25 新しいデジタルビジネスモデルへの転換
岩本 晃一 氏(経済産業研究所 リサーチアソシエイト/日本生産性本部)
大きな社会的ショックにより、急激かつ大規模に市場が変化することがある。そういった場合でも、需要がなくなった製品の生産を停止し、新しく需要が生まれた製品を開発し、増産するという対応は、基本的には何も変わらない。経済学の教科書によると、新市場の開拓・発展の初期において大きなシェアを得るものは、将来的に大きな利益を得る。ゲームの勝者は初期に決定づけられる。巨大でかつ、デジタル技術の有無により各社の優劣が決定づけられる新たな市場とはどのようなものか、紹介する。
(6) 18:25 – 19:05 パネルディスカッション
【モデレータ】 野中 洋一 氏
【パネリスト】 Reiner Anderi 氏、木村 文彦 氏、Thomas Gries 氏、岩本 晃一 氏
■10月14日(水)
[Session 3]日独専門家フォーラム (経済産業省・ドイツ経済エネルギー省 共催、在日ドイツ商工会議所 後援)
(1) 17:00 – 17:05 経済産業省 ご挨拶
矢野 剛史 氏(経済産業省 製造産業局 ものづくり政策審議室長)
(2) 17:05 – 17:10 独 経済エネルギー省 ご挨拶
Markus Heß 氏(独 経済エネルギー省 次長)
(3) 17:10 – 17:40 信頼できるデータインフラストラクチャの原則:ドイツ、ヨーロッパ、および日本の視点
Boris Otto 氏(International Data Spaces Association 副会長 / フラウンホーファー ISST研究所 エグゼクティブディレクター)
境野 哲 氏(RRI SWG8グループリーダ / NTTコミュニケーションズ)
今日の産業界では、生産性を向上させ、新しい価値を生み出すために、生態系における情報交換と共有の重要性が地球規模で高まっています。一方、ほとんどすべての経済分野でデータ保護規制などの制限が高まっています。 フラウンホーファー研究機構はこの課題を認識して、International Data Space Association(IDSA)を共同設立しました。この協会は、ビジネスエコシステムにおけるデータ主権とデータセキュリティを保証するソフトウェアアーキテクチャの標準を設定しています。それに加えて、ドイツとフランスの政府は、相互運用性、移植性、およびプラットフォームで交換、使用、保存されるデータの主権をサポートする連合データインフラストラクチャとしてGAIA-Xを提案しています。日本ではRRIが、製造に焦点を当てた研究に基づいて、国際的な共通ルールの下で安全かつ公正に接続できるデータインフラストラクチャのシステム要件を研究しています。このセッションでは、IDSAとRRIメンバーがそれぞれの取り組みの概要を説明し、今後の日欧間の協力に向けた行動を提案します。
(4) 17:40 – 18:10 ビジネスモデル / プラットフォーム経済
Ulrich Loewen 氏(Plattform Industrie 4.0 AG6 / Siemens AG)
藤野 直明 氏(RRI 製造IoT情報マーケティング / 野村総合研究所 産業 IT イノベーション事業本部 主席研究員)
現在、時価総額が最大の10社のうち7社がプラットフォーム企業です。 彼らのビジネスは、強力な成長を可能にするデジタルプラットフォームの運用に基づいています。 これらの大規模プラットフォームはB2C市場で顕著ですが、その概念はすでにB2B市場でも応用検討が始まっており、価値ネットワークの構築、イノベーションの活性化、経済成長など産業界全体に多大な貢献が期待されます。
日独の専門家はこの点についての議論を始めています。市場で観察可能な日本とドイツの具体的な例を分析し、特定のメカニズムと影響について共通の理解を深め、特に企業、政治、研究にこれらの複雑な議論のガイダンスを提供します。
(5) 18:10 – 18:40 IIOTバリューチェーンのセキュリティ – Trustworthinessの役割 –
Aliza Maftun 氏 (Plattform Industrie 4.0 AG3 / Siemens AG)
古川 文路 氏 (株式会社 東芝 サイバーセキュリティ技術センター 参事)
ドイツPlattform Industrie4.0(PI4.0)とRRIは、デジタル化と相互接続が進む経済への信頼を育むことについて議論を続けています。この講演では、Trustworthinessの役割と、既存または潜在的なビジネスパートナー間のトラスワージネスを保証するメカニズムを説明します。また、現在検討中である、サプライヤ向けの共通化したセキュリティ調査票についても説明します。
(6) 18:40 – 19:10 日独標準化 連携活動 第2章
Jens Gayko 氏(Managing Director, Standardization Council Industrie 4.0)
木村 文彦 氏(RRI 国際標準化アクショングループ主査 / 東京大学名誉教授)
2017年より始まった日独標準化専門家会合は独SCI4.0 (Standardization Council Industrie 4.0)とRRI、そして独Plattform Industrie 4.0の協力により、スマートマニュファクチャリングにおける標準化をテーマに、各種講演や提言の発行を行ってきた。この度、当初の連携協力(Common Strategy)をさらにアップグレードし、標準化における共通戦略および今後の注力領域の再設定を行った。講演では新たなCommon Strategyを紹介するとともに、直近の活動成果を紹介していく。
(7) 19:10 – 19:20 クロージング
矢野 剛史 氏
Markus Heß 氏
中富 道隆 氏(RRI 運営幹事)
■10月27日(火)
[本会議]製造ビジネス変革 日本の道(経済産業省 共催)
(1) 14:00 – 14:05 経済産業省 ご挨拶
柴田 敬司 氏(経済産業省 大臣官房審議官 (製造産業局担当))
(2) 14:05 – 14:35 国際シンポジウム 国際との対話から
ここでは第4次産業革命やデジタルトランスフォーメーションへの製造業としての対応について、国際シンポジウム2020の振り返りとして、10月12日から14日に行われたグローバルリーダーとの議論から、国内状況を踏まえて、重要な視点と意見を取り上げる。
藤野 直明 氏(RRI 製造IoT情報マーケティング / 野村総合研究所 産業 IT イノベーション事業本部 主席研究員)
水上 潔 氏(RRI 産業IoT統括)
(3) 14:35 – 16:15 パネルディスカッション
第4次産業革命によるパラダイムシフトとは何か、非常にわかりづらい。日本の現構造から見ると対応の必要性がわからない。などの声を聴く。トップリーダの現状認識、彼らによる日本の挑戦、そして企業やRRIはどうすればいいのかなどを議論していく。
【モデレータ】 藤野 直明 氏
【パネリスト】
大宮 英明 氏(RRI会長 / 三菱重工 相談役)
齊藤 裕 氏(システムイノベーションセンター代表理事・センター長 / ファナック 副社長)
島田 太郎 氏(株式会社 東芝 執行役上席常務 最高デジタル責任者)
(4) 16:15 – 16:20 クロージング
中富 道隆 氏(RRI 運営幹事)
以上